江青日誌

夢は野山を駆け巡る

意志のあるものづくり

インターネットが出始めた頃から、私は出版社は今後モデルとしてヤバイのではと思っていた。出版社というか、TV、新聞、ラジオ、音楽、などなど、アナログ的コンテンツプロバイダとあえて呼ばせてもらうけど、その周りの業界。当代は、ラジオからテレビのメディアの変革期よりも大きな変化がおとづれている。今までは、publishするためには、ある一定の利権を持った組織しかできなかったことが、確実にインターネットのおかげで参入障壁は下がった。メディアを問わないで、発信したいだけであれば、勝手にネットでpublishできる時代。また、巨大メディアに目を移すと、ビットに近いメディアであればあるほど、インフラをインターネットに置かないと実業を失う危機到来中。ラジオや新聞やレコード会社は、今まさにそんな感じに映る。
はてさてその中で、出版社である意義はなんなのか?それが、私の働くテーマのひとつだったりする。例えば、アマゾンが出版機能を持って、作家を抱えて本を出しちゃったら、我々の商売は成り立たなくなる。そんな事だって、ありえなくない。出版社を仲介業者と捕らえるか、コンテンツメイクのプロと捕らえるか?そんな問題が見え隠れして、この産業の未来についてしばし考える。特に、「本が好きだから、作る側に回ってみたいので出版社に入りたい!」などと新卒でもあるまいに、30を見え隠れする輩が、面接で来ると張り倒したくなりますよ。あーたね、出版業界は、10年間1回も前年度売上を超えられない斜陽産業なんですよ、まったく。。。。
全然、当代の出版社のありようの答えは見つかっていないのだが、今日はPM Conferenceという自社のイベントがあり、お手伝いに行って個人的にうれしい発見があった。自社のイベントだからほめていると思って欲しくないのだが、このイベントには、PMとして今必要なものはこれだ!と言い切るコンテンツメークした側の明確な意志があり、スピーカーはその意志に賛同してプレゼンテーションをしていた。そして、聞いた人たちもこちらが出したい意図を理解しようとしていただけていたように思った。その循環を生み出す気持ちよさは、まさしく、コンテンツプロバイダの醍醐味だと思う。
そんな仕事をやってのけたPMmagazine編集長に嫉妬しつつ、そんな束がたくさんできるとこんな幸せなことはないと思った。仲買業者としての出版社ではなく、publishする側としての意志のあるものづくり、それに拘りたいと思ったし、意志あるものづくりに拘っている人を応援したい!それによって、世の中を動かしたい!というか、日本を良くしたい!と酒を飲んでもいないのに大きな事を言いたくなってしまうような、気持ちのいい仕事だった。そして、まだ、私の中で当代の出版社のありようが見えていないのだが、当面は意志ある物づくりをすることが、我々のビジネスなのだと信じようと思った。その中で、見えてくるものはきっとあると信じたい。