江青日誌

夢は野山を駆け巡る

葉山図書館にて

読むと決めたら三作は読むことにしているので、石原慎太郎の「太陽の季節」と「狂った果実」を読む。田中康夫の「なんとなくクリスタル」が出たとき、一橋の後輩である彼との共通点を本人が言っていた意味がやっとわかりました。世俗系純文学ですな(^_^;)
「弟」を読んだばかりのせいだと思うのですが、石原裕次郎演じる映画のように、文字を追うというよりは、本を読むというよりは画像が浮かぶ。あの道を、あの海を舞台に繰り広げられたのかと。みずみずしく、色彩的な文章。でもこういう小説は、後年に残らないように思う。そして舞台は、三浦半島なのにフランスの小説のようでもある。当時の逗子や葉山がこうだったかは良く分からないけれど、この小説が出来たことで、この土地に付加されたイメージは大きいのでしょうね。
しかし、東京都知事がこういう文章を書いた人であることを恥ずかしながら、始めて知りました。そして、この土地のことを少し理解出来た気がします。
写真は葉山図書館。気持ち良く本が読めました。