江青日誌

夢は野山を駆け巡る

私の男

私の男

私の男

ある晩ベルギービール屋で一人飲んでいたら、隣でこれまた一人で酒を飲んでいた装丁専門のデザイナーさんに声をかけられました。50代半ばなんじゃないかと思う。身なりや持ち物を見ていると、どれも品のいいものを大切そうに使っている感じがしました。勝手ながらなんとなく、女子が大好きなんだろうなという匂いを発している、正しいフリーのデザイナーなおじさま。そんな専門家から見て、どの装丁が最近やられたと思うか聞いてみました。彼から一番に出た言葉が、この本だった。「こんなべたな装丁を鈴木成一がやるとは・・・」と、中身を読んだ上でそう思ったということで、そういうならばと購入。
その後しばらく寝かせていたのですが、読み始めたらトイレにもたたずに一気に読んでしまいました。性を超えた性というか、もつれ合う性と家族の果てがこれですか、といった読書感。とにかく、すごい。逆に表紙のえぐさに購入をはばかれていたのですが、背中を押してもらえて本当に良かった。桜庭一樹の本を読むのは初めてだったのですが、まとめて読んでみようと思います。久しぶりにしびれました。