江青日誌

夢は野山を駆け巡る

ハワイ島と津波


マウイ島を後にして、ビッグアイランド、ハワイ島へ。ハワイ島に来た理由は、大好きな地球の不思議探索の一環で、キラウェア火山見学のためでした。ハワイ島のコナ空港につき、溶岩の固まりの大地の中を走り、宿泊するキングカメハメハホテルに着きチェックインすると、ホテルの一階が、3月の津波で被害を受け工事中でした。実は、恥ずかしながら、ハワイ島に入る前日にコナで50センチ、ヒロで2メートルの津波が来たことを、現地の方のブログで知ったばかり。実家のある釜石でさえ、津波の被害を受けたところに泊まったことは無かったので、とても衝撃を受けました。次の日、キラウェア火山見学ツアーに参加したところ、現地ガイドさんから、日本で地震があった約五時間後にハワイ島津波が来たこと、コナは警察が浜辺を封鎖して、観光客も含めてみな避難させられたこと、キムタクの常宿は全壊、ヒルトンは4/30から営業再開、などなど、ハワイ島の被害の状況を知らされました。
聞けば、ハワイ島は、アリューシャン海峡付近や、チリで起こった地震の影響で津波に襲われ被害を受けてきたとのこと・・・。辛い体験を乗り越えた地元の人が、津波の被害を風化させないために、パシフィック・ツナミ・ミュージアムをヒロに作った事がわかりました。たぶん、震災前だったら、きっと行かなかったと思います。せっかくなので是非行ってみたいと思い、ダンナさまにコナ〜ヒロ間往復300km弱を運転してもらって行ってまいりました
パシフィック・ツナミ・ミュージアムは、ヒロの目抜通りにありました。ヒロ湾が目の前で、元々、銀行だった建物だそうです。展示内容は、ヒロでチリ地震津波の被害を体験した人のビデオ(日本語ナレーションあり、有料)、ハワイ島の被害だけでなく、2004年のインドネシアなど太平洋でおきた津波の被害状況、津波の原理、津波本の展示と販売、ツナミミュージアムのグッズの販売でした。入場料は無料、全てボランティアで運営しているとのこと。
津波が来たとき、無知で逃げなかったために、命からがら助かった人の話や、津波の間、木に登っていたが気がついたら、周りにいた人は振り落とされていた話など、ビデオの中の人達は、後世の被害を少なくしたいと言いながら、自分達の津波体験語っていました。まさに、ビデオに出てくる、津波でぐしゃぐしゃになっているヒロ湾の目の前に博物館が建っていることが、現実感を増しました。
ワイ島は、噴火と津波に襲われるところです。ただし、溶岩の進みが遅いことと、火山灰が出ない噴火のため、噴火で死亡者はほとんど出たことがないそうです。また、津波は、ハワイ州でおきた地震と、それ以外でおきた地震によって発生する津波によって対応が異なるため、地震がおきて五分以内に、津波が発生するか、津波予想到達時間と高さを予測し、行政が避難を誘導することになっているそうです。また、電話帳には、ハザードマップが入っており、一家に一冊必ず届くようになっているとのことでした
この旅は、久しぶりに仕事も震災も忘れてのんびりするつもりでした(苦笑)日本を出発するときに、次に日本に帰ってくる時は、震災復興を遂げて、放射線も円満解決だったらいいのにと思いながら、飛行機に乗りました。マウイ島では、久しぶりに津波の話を全く聞かない生活をしました。ハワイ島に来て、311の津波被害が日常にある暮らしに逆戻りし、はじめは戸惑いました。でも、風化防止のヒントをもらい、来るべくしてここに来たのだと思いました。
写真は、キラウェア火山の夜の顔。大きな天然の聖火台のように、神秘的な火を放っていました。

Pacific Tsunami Museum Inc.
130 Kamehameha Ave Hilo, HI 96720
http://www.tsunami.org/