たまたま訪れた書店さんの平台に、たまたま積まれた本を、ジャゲ買いしてしまうことってないですか?やらないように気をつけていても、大型のビジュアルメインの本にやられてしまい、買っては見返しています。そんな本を7日間に渡って紹介します。
『一〇〇年前の世界一周』
この本は、1905年(明治38年)に、ドイツ人の青年が、アメリカ→カナダ→ハワイ→日本→朝鮮→中国→シンガポール→インド→スリランカなどを周遊した際に、撮った写真117点収録されている本です。
表紙の女子は、九州の芸者さん。17歳と15歳だそうです。こんな感じで、アメリカの景気のいい当時の雰囲気や、日本のまだ江戸時代の趣が残っている自然や町並みなど、100年前のちょっと写真がうまい人のインスタ写真を見るような感じでしょうか(笑。
それにつけても、朝鮮と中国の荒涼とした感じが、その後の世界を予見させるようで、ハッとします。著者は、道中マラリアにかかったことをきっかけに、帰国。第2次世界対戦後、ナチスに反感を持っていた著者はドイツ国籍を放棄。80を過ぎてから、この本をまとめたそうです。思い眺めるのにいい本です。
明治天皇大喪儀写真
1912年(大正元年)11月6に発行の大喪使編『明治天皇大喪儀寪真』を縮刷し、新潮社が復刊したものです。この本を何で買ったかと言うと、忘れました(笑。
我らが国父、明治時代の大ヒーローの明治天皇の大喪の礼を、よく見てみると、そこにはその時代が透けて見えてきて、
- 東京で初めて大喪の礼が行われた(葬儀は大日本帝國陸軍練兵場(現在の明治神宮外苑)で実施
- 東京から桃山御陵へ東海道線などで霊柩車で運ばれて埋葬された
- 軍人さんの参列者がやけに多い
- 宮中の伝統に従って夜間に執り行われたた(昭和天皇の時は午前中から)
それ以外にも、Wikipediaを見ると、明治天皇のおじいさまである孝明天皇から、神前のお葬式に変わられたとのこと。大喪の礼にも、天皇制をブランディングするための仕掛けが、大政奉還後、アップデートしているさまを感じます。
こんな知識を得たことで何に役に立つかといえばきっとないわけなのですが、ふと買った本から黙々と、Wikipediaや本を調べたりする時間は、至福の時です。今まで見えてきた世界が変わる瞬間です。
#7日間ブックカバーチャレンジ の参加は、個人的に大好きな本を言葉に出して伝える練習の一環でやってみようと思います!