江青日誌

夢は野山を駆け巡る

一番感動したのは長崎には歌があること

旅先で、地元の人とお酒を飲みながら話をして仲良くなると必ず「地元の歌を歌ってください!」とお願いしてみます。沖縄にはあります。私の生まれた町釜石でも、昔は飲むと釜石の歌を歌う人が必ず一人はいました。そう、飲むと必ず手拍子で地元の歌を歌う、、、そんなことが日常だった子ども時代を送ったせいか、ついつい興に乗ると聞いてしまいます。ほとんどは、残念ですが、そんなものは無いと返されます。昨年、宮崎に出張した時に、一人でたまたま入った寿司屋で出会った、地元宮崎の日本酒の酒造会社の社長さんにお尋ねしたら、みんなで歌う歌は無いとおっしゃっていました。宮崎のおばさんを訪ねた時は、お店の由来になった「ん玉」の歌を歌ってくれました。素敵な歌でした。その歌が好きで、お店の名前にしたのだそうです。でも、「ん玉」をぐぐってみてもひっかかりません。「ん玉」を知っている人は少なくなっている、、、つまり、日常に歌っている歌ではなさそうな感じでした。
長崎市制120周年のイベントの前座で出てきた長崎市の人達が、さだまさし作詞作曲の「がんばらんば」を踊りながら歌ってました。「がんばらんば」を聞いたことが無い方のために説明すると、すべて長崎弁のラップです。途中、長崎の人ならば誰でも知っているわらべ歌「ででらりゅうが」が入っています。「数年先の国体が来たら、みんなで踊りたい!」と壇上で踊りの先生はおっしゃっていて、会場に来ている人も当たり前に楽しそうに踊ってました。つまり、長崎弁の歌が日常生活の中にあったのです。
この「ででらりゅう」は、文明堂の長崎ローカルのCMで流れているくらいに、今でもポピュラーなものだとのこと。Hollytownさんいわく、女郎さんが行きたくても出られないことを歌ったという説があるそう。悲しい気持ちを早口言葉みたいな感じに仕上がっているのが面白い。地元の感じとだいぶ違うんですが、YouTubeにはこんなのがあがっていました。

もちろん、長崎を題材にした歌は「鐘楼流し」「長崎は今日も雨だった」「約束の丘」などなど、昭和から平成になっても、たくさん生まれていますし、どこかで、誰かが今日もカラオケで長崎をテーマにした歌を歌っていると思います。でも、地元の言葉で老いも若きも知っているという歌があることが、素敵!とても豊かな気分になりました。がんばって「でんでらりゅう」を歌えるようになって帰ったのは、言うまでもありません。