講演録
チームみらいの中で見えた、自律的に動く組織の姿──“手を動かす”が導いた自己組織化
- Regional Scrum Gathering Tokyo 2026 / 2026-01-08
- 登壇:岩切晃子(@kohsei)、盛林綾華/くまごろー(@kumaGoro95)
モデレーター:徳冨優一(@Tommy1969)
本原稿は、Regional Scrum Gathering Tokyo 2026(以下、RSGT2026)で行った講演を、生成AIで書き起こしたものをベースにしています
1. オープニング:このセッションで扱うこと
本セッションは、2025年夏に急拡大した新しい政党「チームみらい」の活動を、“自己組織化する組織”の実例として振り返り、アジャイル/コミュニティ運営に通じる学びを言語化する試みである。キーワードは、合言葉として機能した 「手を動かす」。さらに、迷ったときの拠り所として 「誰かをおとしめない」「分断を煽らない」 といった Values が行動を押し進めた、という問題意識が提示された。
2. 自己組織化が起きた背景:「チームみらいの奇跡」
モデレーターから、チームみらいの躍進が「なぜ奇跡的に見えるのか」が整理された。
- 参議院選挙ポスター掲示板は全国で約30万箇所規模
- 通常、国会議員に至るルートは「地方議員・官僚・業界団体・世襲」など“既存の強い回路”が優位
- 国政政党化にも通常は年単位を要することが多い
- 結党2ヶ月半で、約2万人のサポーターまで増加し、国政政党になるというゴールを達成した
加えて、現場を支えた仕組みとして 「ポスター掲示板マップ」 と 「アクションボード」 が紹介される。
アクションボードは「やってほしいこと(ミッション)」が並び、達成するとポイントが貯まる“ゲーミフィケーション”的な要素で参加を促進。ポスター掲示板マップは、掲示場の位置と進捗を可視化し、どこが未完了かをリアルタイムに把握できるようにして、現地の行動を加速した。
3. 体験談① 岩切:手を動かした人ほど、「自分たちが安野さんを国会に送った」と感じていると思う
岩切は、サポーターとして手を動かしたサポーターほど「安野さんを自分たちが国会に送った!」と実感として思っている現象をポスターマップの現場から語る。
3-1. 約120,000箇所/721自治体の「掲示場データ化」という無茶ミッション
まず、既存政党から立候補しない場合、選挙コンサルがつくことが多いらしいが、チームみらいは、都知事選を戦った人たちがいるものの、国選選挙ドメイン知識がほぼゼロの状態でスタート。
私は、ハッカソンに参加したら、ポスターマップ関連の取りまとめ役に指名されました。他の人にお願いしたかったが、調整している時間もないのでお引受した。
公示日1ヶ月前に「12選挙区721自治体のポスター掲示場の位置情報入データを作成し、ポスターマップシステムに乗せる必要がある」ことを、技術担当のサポーターの方が調べてくださり、「データを作る人を100人集めて!」という司令を頂いた。
自治体ごとに、紙・PDF・Excelなど混在するポスター掲示場の位置情報。AIでこの課題を解決するツールをつくる人が現れたり、選管へ問い合わせをする方や紙を取りに行く方、チェックするテストツールを作る方、もちろん、位置情報のデータを作る方など、どんどんボールを取る人が集まってきて、お陰様でなんとか形になった。
3-2. できない理由を言う人が、変わっていく
初期は「これが足りないからできない」など不満をいう方が見受けられた。しかし、「チームみらいのバリューは手を動かすなんで」と、色々な人から言われてたためか、口は動くけど手を動かさなかった人が、手や足を動かすようになっていった。
結果的に、老いも若きも、指示がなくても拾われていくボールを取っていくようになった様を、自己組織化の実感として述べた。
4. 体験談② 盛林/くまごろー: “合法的周辺参加”が一気に中心へ人を運ぶ
盛林は、参加障壁の低さと巻き込まれ方を、ほぼ体感記として描写する。
4-1. 入口が軽い:フォーム1枚で、現場まで行ってしまう
「やってみようかな」でフォーム登録→Slack参加→募集の窓口が大量に見える→地域定例会へ→その場のノリで街頭活動へ、という流れが速い。
一度現地に行くと心理的ハードルが下がり、「隙間時間でできる」行動(ポスター貼り等)が連鎖する。
4-2. 北海道のリアル:「熊しか見ない選挙ポスター」
北海道は土地が広く人が少ない。札幌市のコンプリートを目標にしつつ、山の中まで車で入って貼る局面も出る。SNSで見た「熊しか見ないよね」という冗談が、いつの間にか“自分の現実”になる。
盛林はこの体験を、周辺から始めた参加者が気づけば中心に近い役割を担い、さらに次の参加者を引き寄せる、という循環(正統的周辺参加/LPP的な現象)として言語化した。
5. パネルディスカッション(Q1〜Q4)
Q1:東京と北海道、サポーターコミュニティはどう違ったか
東京は、サポーターの人数が多く、選挙区ポスターを貼りたい人に対して、ポスターそのものが足りない事象が起きた。また、選挙区だけでなく本部をサポートする業務もあり、企画・調整に関わる人もいた。
北海道は人数が少なく、基本は札幌中心で“顔が見える”関係に寄る。現地で何ができるか(街頭、貼り、支援)を具体的に話す比重が大きい。終盤になると首都圏側が「北海道候補者なと東京以外の候補者の動画編集を手伝う」など、地域間支援も自然発生した。
Q2:3ヶ月で2万人規模のチームビルディングで印象的だったこと
KPIを強めに回そうとする提案が出た際、「それはこの組織の価値観と違うのでは」という反発と対話が起き、結果的にKPI強化案は採用されなかったにもかかわらず、成果を前倒しで達成した、というエピソードが語られた。
また、Slack上で衝突が起きても、「手を動かす」「分断を煽らない」等の合言葉(スタンプや声かけ)が沈静化に働き、議論を“行動側”へ戻す力として機能した。
Q3:アジャイル/OSS文化に慣れていない人が多い中で、再認識した良さは?
アジャイルという言葉が表面に出ていなくても、現場はアジャイル的に回っていた。
- 完璧を求めず「まず使える形」を出す(MVP志向)
- 意見が割れても価値創出にフォーカスする
- 「やる/やらない」を明確にする(スコープの意識)
- 次回のための「ふりかえり」(アンケートや全体まとめ)を重視する
Q4:ミッション/ビジョン/バリューはどんな効果があったか
結論はかなり強い。「上司がいない/誰が偉いか曖昧」な場で、Valuesが“リーダーの代替”として働いた。
迷ったときに「まず手を動かす」に立ち返ることで、もやもやが“行動”へ変換される。
初対面で現場集合しても、価値観を共有している前提があるため、挨拶抜きで作業が始まっても連携できる。
さらに「誰かをおとしめない/分断を煽らない」を守ることで、他陣営批判の炎上ゲームに乗らず、活動の推進力を保てた。
6. まとめ:“組織づくりのお持ち帰り”
セッション全体を通じて浮かび上がったのは、自己組織化は精神論ではなく、**「参加しやすい入口」×「次にやることの可視化」×「価値観で迷いを減らす」**の掛け算で起きる、ということだった。
- 入口を軽くする(フォーム、Slack導線、地域定例会など)
- 仕事を見える化して“拾えるボール”を増やす(アクションボード、マップ)
- 価値観を“実際に使う言葉”にする(手を動かす/分断しない 等)
- 衝突をゼロにするのではなく、行動へ戻す仕組みを持つ
- 地域差を前提に、助けが自然発生する設計にする(首都圏→地方の支援など)
最後に、当日は、たくさんの方に聞いて頂き、その後も「どうしてみんなそんなに自律的に動けたのか」と、質問を頂きました。思い返してみると、ポスター掲示場のデータを作る活動では、「エンジニアだけどガッツリ開発に入る時間がなかったのでちょうどよいサポーター業務だった」「マニュアルが有り、人に聞かなくてもある程度できた」というアンケートの声がありました。
妄想ですが、脱予算経営を応用し、仕事の隙間時間でやってもらえると嬉しいことレベル別にまとめ公開し、タスクを取りチームに貢献した人を見える化するなど、徹底的に透明性をあげると、組織はよく回るようになるのかもしれないなと思ったりしましたが、どうでしょうか?企業での成果がありましたら、ぜひ私も聞いてみたいのでお知らせください!




























