江青日誌

夢は野山を駆け巡る

子どもプログラミング書籍のPOSから戦線を考察する講演やりました&XPまつり2018でワークショップやります

https://speakerdeck.com/iwakiri/20180628-zi-domopuroguramingushu-ji-falseposkarazhan-xian-wokao-cha-suru-at-kohsei
大上段に構えた、かつ超長いタイトルで恐縮ですが、こんなタイトルで、トーハンさんの楽市楽座の中で開催された勉強会でお話させて頂く機会を頂戴しました。何人かの方に、資料を公開してほしいとコメントを頂いたこともあり、僭越ながら、講演資料を公開させていただきます

はじめに
全ては2016年4月8日の閣議で、2020年に小学校に「プログラミング思考教育」が義務許育されること、そして、2021年に中学が、2022年に高校の情報教育のカリキュラムが改定されることが決まりました。
2016年の5月に『ルビィのぼうけん』が弊社から刊行されました。こちらですが、世界の学力1番のフィンランドの絵本であること、すでにフィンランドでは初等教育コンピュータサイエンスが義務教育化されていることから、とても反響をいただきました。今回は、弊社のPOSデータと、紀伊国屋書店さま全店のPOSデータPublineのデータで見る、子どもプログラミングの世界を考察していきたいと思います。

プログラミング的思考教育が初等教育に入っていく理由
初等教育にプログラミング的思考教育やコンピュータサイエンスが入っていっていっているのは、世界的傾向です。「コンピュータだらけの現代を生きていく子どもたちは、基本的な仕組みをすべての人に理解してほしい」「システムが天災や不慮の事故で、止まったり誤作動したときに、パニックにならない知識を教養として身につけてほしい」「人間とコンピュータの得意なところ不得意なところを理解した上で、相互補完して人生を生きてほしい」といった思いが含まれていると思っています
ビスケットの原田先生が「小学校で稲刈りを教えるところがあるが、それはお百姓さんになってほしいからではなくて、自分たちが毎日食べるお米がどうやってできているか子どもにわかってほしいから。それと同じ」とおっしゃってましたが、さすが!原田先生、まさにそういうことだと思います
ちなみに、日本では、「コンピュータ」とか「プログラミング」の授業はなく、通常の教科の中にプログラミング的思考教育を入れていくということになります。

『ルビィのぼうけん』など実際の子どもプログラミング書籍のPOSの傾向から見えてくること

ネットからリアルへ
弊社の子どもプログラミング書籍からみる、ネット書店☓リアル書店での購買率の変化
1年目はWeb書店率が高いのですが、2年目以降、リアル書店率が上がっている傾向がある

■売れる時期:Publine
2016年4月から2018年3月までの他社を含めた無作為選書の子どもプログラミング書籍のPublineでPOSをみると、春〜夏休みまでとクリスマス商戦に売れている

■購買層:Publine
子どもプログラミング書籍は、男女半々で子どもが買っていないのに対し、科学系の図鑑や書籍は、子どもが一定層買っていることと、女性がメインターゲット

購買層:Amazonのレビューより
Amazonの子どもプログラミング書籍のレビューを読んでいると、大人もこどもプログラミング書籍でプログラミングを学んでいることがわかる
また、子どもプログラミングは、まだ、対象年齢がはっきりしていないのと、子どものコンピュータの習得度により、やりたいことできることのレベルがまちまちなので、中身を見ないで書籍を買って、実際に子どもに与えるとミスマッチがおきているようなコメントも見られた

リアル書店の中でどこの棚に置くべきか?
これはよく聞かれる質問です(苦笑。でも、いま現時点で正解がないと個人的には思っています。
現状は、コンピュータの棚に置かれている書店さんが多いと思います。ここだと、大人が教養としてプログラミングを学びたい人や、お父さんが子どもに買っていく的なことを狙える。絵本や学参コーナーにあると、カガクルシリーズや理系図鑑などと併売してくれる可能性もあるし、お母さんや子どもは書いやすい。春先から夏までとクリスマスには、話題書コーナーにあったら良いとも思います。
逆に、書店さんにお話を伺っても、それぞれ売れる場所が異なっているようなので、最終的には、子どものコーナーになっていくのかもしれませんが、今は併売をおすすめしたいと思います

これからは「読み書き算盤」から「日英で読み書き+プログラミング」の時代へ
ご存知の通り、2020年からプログラミングだけではなく、英語も初等教育に入っていきます。つまり「日英で読み書き+プログラミング」の時代が始まります
残念ながら、2020年前の義務教育化前に小学生だった子どもは、自分たちで勉強しなければなりません。また、先生たちも2020年に向けて準備が必要でしょう。また、2020年に日本中の小学校で、全員にタブレットが行き渡るようになっているとも思えません。しばらくは、書籍で学ぶなど、組み合わせが必要ではないかと推測しています。
とにかく、英語もプログラミングもできると楽しいし、世界が広がります。そんな子どもがたくさんいたら、と思うと、ワクワクします。今、私達大人ができることは、子どもに未来を提案することですよね!そんなわけで、書店さんには、ぜひ、今から子どもの未来の扉を開ける提案を棚からしていただけたらと思います!

9/5に早稲田大学で開催されるXPまつりで「子どもプログラミング書籍の対象年齢表記をみんなで考えるワークショップ」を開催したいと思ってます
なんと!ありがたいことに公募に応募したら枠を頂いたので、実際のところどうなのか考えるワークショップをやりたいなと思っています。とはいえ、暗中模索なので、ぜひ、お力を貸してください!。ご興味がある方は、ご連絡をいただけると幸いです!