江青日誌

夢は野山を駆け巡る

2020/01/10に聞いた「日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー 3年間の軌跡」がいい話だったので、書き起こしてみた!#RSGT2020

 「書き起こしてみた」第2弾は、#RSGT2020で ご自身の会社の企業文化を変えてきた7年の軌跡を話してくださった、クリエーションラインの安田さん。ご本人の承認を頂き、自分の勉強のためにも書き起こしてみました。最後まで読んでいただくと、この話のすごさが身に染みてわかります。読んでくださった方のお役に立てると幸いです。

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初めに 

こんにちは
今日はですね「日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー 3年間の軌跡」というタイトルでお話しさせていただきます。クリエーションラインの安田と申します。よろしくお願いします(会場拍手)

自己紹介

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私は、2006年にクリエーションラインを創業して、社長という役割を担ってまいりました。先ほど、ふざけたスポンサーセッションをお聞かせしましたが、今回のRSGT2020では、ゴールドスポンサーとして、参加させていただいてます。現在、140名ほどのメンバーがいて、9割方エンジニアの集団です。事業内容は、アジャイル開発支援サービス業とサブスクリプション事業をやっている「まじめな」会社でございます(笑。

まず、最初に皆さんにお伺いしたいです。

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1つ目の質問は

「あなたは喜びに満ちた人生を送りたいですか?送りたい方挙手を!」

------------ほぼ100%ですね

「『Joy,Inc』を読んだよという方、挙手をお願いします」

------------ほぼ100%ですね(笑→見た目70%ぐらい

今日は講演時間が20分しかないので、『Joy,Inc』の本の内容に触れることができません。皆さん、読んでいらっしゃるという体で、話を進めていきます。ご了承ください。

まず、1つ目の質問に手を挙げていただいた方にお送りしたい一文を『Joy,Inc』から持ってまいりました。

あなたは喜びを選んだ、
それは困難な旅の始まりだと理解して欲しい
人間の行動を変えることが
最も困難な旅のひとつだ。
そして、おそらく、最も実り多いものだ。

-『Joy,Inc』第16章まとめ「喜びのなかへ」より

『Joy,Inc』に出会ってから3年なので、講演タイトルは「3年間の軌跡」としましたが、実は、7年間の改革の話です。この7年間は、困難な旅の話でもあり、実りの多いものでもありました。ここにいらっしゃる方の中で、チームを変えようとされている皆様がやろうとされている、会社の文化を変える孤独な挑戦に、勇気と元気がもたらせることがゴールとして話を進めていきたいと思います

本日のアジェンダ

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7年間を20分にまとめているので、もう少し詳しい話を聞きたい方は、ご依頼ください!本日の話はロングバージョンもありますので(会場から笑いが起こる)

『Joy,Inc』に出会う前の僕ら:最悪だった2013年

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『あなたのチームは、機能してますか?』有名な本ですね。読まれたことがある方も多いと思います。この本の中にある、これまた有名な「機能しないチームの」3角形の図。まさしく以前の僕らは、この機能しないチームでした。

いくつか事象を持ってきました。メンバー30人ぐらいで2013年の話です。本当に思い出したくない過去の話ではあるんですけれど、その時の状況を皆さんの正確に知っていただきたくて、お話しさせていただきます。

  • 社内全体が暗い。全体会議が一番暗い。なぜ、僕がここにいなければならないのかという空気がプンプン漂っている。
  • チーム間のコミュニケーションが全くない。いがみ合っている状態。
  • プロジェクトの大炎上中。恥ずかしい話なんですけれど、夜中の1時2時からミーティングが始まるようなときもありました。
  • 社員が会社の悪い噂をあることないことSNSに投稿する。

本当に最悪な状況でした。
負のスパイラルが回っている感じ
いろいろこの時悩みました。
会社たたんだ方がいいかとまで考えました。

その時を振り返ってみると、原因は自分にあって、だめなリーダー、だめな社長、だめな経営者の典型でした。
目先の売上や利益だけしか見ていなかった。
本質的なもの、大切なものが、全く見えれない状況でした。
ビジョンだとか理念がない状況でした。
そうなるとこういう状況に陥ってしまいます。
この時、私自身深く深く反省し、この状況を素直に受け入れました。ここから、開き直って、良くしていこう、カイゼンしていこう、そこから歩み始めました。

実際、会社の浮き沈みのグラフはこんな感じです

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2006年に会社ができて、ちょっと良くなって、2013年にどん底になります。そこから、いろいろな取り組みを通じて、少しづつ会社が良くなっていくという話になります

『Joy,Incとの出会い:2013~2017

2つ目に、2013年のどん底の時期から、『Joy,Inc』に出会うまでの話をしていきたいと思います
いろいろな取り組みをしてきましたので、すべて紹介しきれません。なので、象徴的なエピソードをいくつかご紹介します。

2015年1月:全社会議

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「人生をよりよくするために」「クリエーションラインでの仕事をより楽しくするにはどうしたらいいか?」を、みんなの前で呼びかけました。
まだ会社の雰囲気はよくない。「社長何言っちゃっているの?」という雰囲気がプンプン漂っている状況。
ただ、自分自身、なんとか会社を少しでも良くなるために、もがいていました。僕が必死になっていた姿を見て、少しずつ、会社の中にモチベーション高く活動するメンバーが出てきた時期でもありました。

2016年10月:ヴァル研究所見学

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ヴァル研究所さんに見学に行かせていただきました。皆さんのなかにも、ヴァル研究所さんに行かれた方もあると思いますが、本当に素晴らしい活動をされている会社さんですよね。私たちも、その場でいろんなことを学びました。これ以降、社内 全部ではないですけれども、付箋を使って可視化する、ふりかえりをするチームが出てきました。

2017年03月:「強いチームの作り方」ワークショップ

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アトラクタの吉羽さん、原田さんにご支援いただいて「強いチームの作り方」というワークショップを開催しました。この時、会社のメンバーは60人ぐらいだったのですが、全員がこのワークショップに参加し、強いチームとは良いチームになるにはどうしたらいいか学びました。すごく良いワークショップなので、吉羽さんにぜひご依頼ください(笑。
ワークショップ効果で、本当に社内のモチベーションが上がり、社内の有志のメンバーがカイゼンチームを自主的に作って、社内のいろいろな問題を解決をする活動がこれから始まりました。

2017年08月頃:『Joy,Inc』との出会い

吉羽さん、原田さんとの出会いがあって、お二人も翻訳を携わった『Joy,Inc』に出会ったのが、2017年の8月ごろになります。本当に素晴らしい内容で、読んでない人は絶対にお読みになることをお勧めします。

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で、本当に小学生みたいな感想なんですけど、「ほんとすごいな」「こんな会社があるのか?!」純粋にそう思いました。一方で、すごい会社、すごい話過ぎて、遠い世界の物語のように感じたのも覚えています。

RSGT2018:2018年1月

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その遠い世界の物語の主人公であるリッチーが来て、講演してくれる!これは行かねばと思い、参加したのがRSGT2018でした。RSGTは初参加で、講演は素晴らしいし、イベント自体とても素晴らしかった。リッチーの講演も心に響きました。

一番印象深かったのは、リッチーさんが、とてもうれしそうに、楽しそうに、ご自身の会社のことを話していたんですね。

その時に僕は思いました「僕は、こんなにうれしそうに楽しそうにクリエーションラインのことを話せるだろうか?語りたい!こんな風にリッチーのように語りたい!」と、強く強く思いました。

RSGT2018の翌週の全体会議でみんなの前で発表した資料がこちらです

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突然ではありますが、全体会議のやり方を大きく変えたいです。
理由としては、もっと楽しく仕事したいです。
やり方を変えましょう。変えさせてください。
まずは、お互いを知ることから始めたいです。

具体的には、全員で丸くなって、リレートーク

今自分が何をやっているのか、今週何をやるのか基本的なことからスタートさせてください。

いう提案をしました

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この時の活動を違う視点で見てみると「チームワークの7つの段階」というフレームワークがあります。ご存知の方も多いかもしれません。
私たちは、Level7「新しい価値を共に生み出す」チームになりたいわけですね
ですが、一足飛びにここに行くことはできません。一つ一つ積み上げていって、初めて到達することができるようになる。
ということで、全員で集まって自己紹介しお互いを知ることから、つまりLevel1から始めました。その時は、カイゼンチームが社内にありましたし、チームビルディングも行っておりましたので、モチベーション高い人やチームも当然ありました。会社全員で80人ぐらいの時期です。でも、「会社全体ではLevel1だよね」と改めて認めて、そこから再スタートしました。

僕らがカルチャーを変えるためにやっていること

これ以降、いろいろなことをやってきました。

Weekly 朝会

f:id:IWAKIRI:20200112120551j:plain先ほど「全体会議」と言ってましたが、それを様変わりさせて、「Weekly 朝会」としました。Weekly朝会は、毎週月曜日、朝10時から11時の1時間使って、チームビルディングを目的とした、全員参加イベントです。この中で行ったいろいろの活動の中から、いくつかご紹介させていただきますと

ふるふるレートーク

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「誰かをふるふるするほど褒める」というイベントで、ほんと、みんなモチベーションが上がるんです。ほめられると嬉しいじゃないですか。あと、誰かが誰かをほめているだけで、心が温かくなって全体の機運が上がっていく、これおすすめです!

リモートメンバーとのジェスチャーゲーム

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ワークショップは、どうしてもオンサイトが一番盛り上がりますよね。リモートメンバーとのギャップが生まれやすい。普段から、富山に拠点があったり、全国各地にいるリモートメンバーとのコミュニケーションをいかに円滑にしていくかという課題がありました。それをこのジェスチャーゲームの中で解決したいという思いがありました。

雑談

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2019年は「雑談」を多く取り入れました。きっかけは、RSGT2019のクロージングキーノートであります、ヤッホーブルーイングさん。彼らは毎日20分間雑談をしている。それをマネさせていただいて、僕らは毎週月曜日の朝30分間、雑談をしています。僕らのやり方は、4から5人の雑談のためのチームを作って、そこにリモートメンバーも入って、雑談をします。

雑談の効果は、いろいろあって、社内のアンケート結果からコメントを紹介すると

  • 雑談で得たつながりが、仕事のつながりになった。
  • 入社が浅い自分を快く受け入れてくれて、滑っても大丈夫な環境を提供してくれたおかげで、勇気をもらえました

つまり、雑談を重ねる中で、チーム間のつながりができり、いわゆる心理的安全性みたいなものが生まれてきているわけなんです。

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弊社では、エンゲージメントスコアを取ってまして、雑談をし始めてから、右型上がりになりました。

Weekly朝会、雑談については、この場で語りつくせないほどあります。絶対に語りつくせないと思うので、雑談をやるためノウハウはブログに上げました(笑。雑談をやるためのノウハウとか、便利なツールなど、全部まとめてありますので、ぜひ、参照いただければと思います。

クリエーションラインのWeekly朝会について
https://www.creationline.com/blog/tadahiro-yasuda/31129

RSGT2019にインスパイアされて雑談を全社で1年間やった結果得られたもの
https://www.creationline.com/blog/tadahiro-yasuda/31156

etc...

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僕らのジョイインクジャーニー未来編

これからやりたいことは、日本のいろいろな会社やチームに『ジョイ・インク』の素晴らしい文化、働き方(XP)を広めたいと思っています。

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クリエーションラインのビジョンは、「IT技術によるイノベーションにより顧客と共に社会の進化を実現する」ことと据えています。
僕たちが持っているITの技術、知識、ノウハウを使って、各産業の方々とコラボして、各産業固有の知識、ノウハウと融合させて、新たな価値を見出していこう。そして、社会を進化させるような製品だったり、サービスを創っていこうということをビジョンとして描いています。

その際にですね、この『Joy,Inc』から教えてもらった素晴らしい文化、働き方を、シェアしていきたいと思っています。

 

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一つの成功事例として、デンソーさんとの取り組みがあります。今、デンソーさんには出資を頂いていて、いろいろなプロジェクトを進めさせていただいています。
2018年から、弊社のある秋葉原のオフィスの1フロアを使って、デンソー、クリエーションライン、協力会社の人たちが20名ぐらいが集まって、開発をしています。
場所を作るにあたって、ジョイインクの思想を多分に取り入れて作りました。このプロジェクトでは、あるシステムを作っており、すでに大きな成果を上げております。それを受けて、他のプロジェクトもスタート。2号棟も2019年6月から稼働しています。

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このような取り組みを、デンソーさんだけではなく、各産業の方々と広げる取り組みをしています。

近日中に、皆様にその話もできるかと思っています。このように、先ほどお話ししたビジョンを少しづつ実現できてきている状況です。

Appendix1:会社の文化グラフ×業績

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一つ持ち帰っていただきたいものをご用意いたしました。先ほど見ていただいた「会社の文化ブラフ(私の主観)」に会社の業績(売上)を重ねてみたらこうなりました。売上データを重ねると、、、、右肩上がり!
どん底の時期に売上が停滞しています。会社の文化が良くなっていくに従い、売上が上がっていきました。利益も同じように成長していきました。
会社の文化が良くなると、チームとしてのパフォーマンスが良くなっていくわけですよね。チームとしてのパフォーマンスが良くなっていくと、良い結果が出てくる。成果が表れてくる。会社の売上・利益がついてくる。私たちは、業績を良くするために会社の文化を変えたわけではないのですが、結果的にそうなったということだと思います。

皆さんが、会社の文化を変えようと思ったときに、いろんな障壁、障害が出てくると思います。その時に、例えば「数字がすべて」という人もいらっしゃるかもしれません。その時に「雑談したい」といったときに、「雑談したい?雑談してどうするの?それで売上上がるの?利益上がるの?」と言われちゃうかもしれません。そういう人たちに、ぜひこのグラフをぶつけて頂きたい。
「クリエーションラインという会社があって、雑談したら、会社の文化が良くなって、売上上がって、利益上がって、みんなの給料が上がったらしいですよ」ということをぜひ言っていただきたい、です。

Appendix2:メンロー、に行ってきました!

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素晴らしい場所でした。ぜひ見ていただきたいです。素晴らしい文化が当たり前にありました。素晴らしい文化ってこうあるべきだなと思いました。僕たちもそうしたいと思いました。

今日は、皆さま方の前で、会社の文化について話をさせていただきました。このような話をするのは、僕自身、初めてなんですね。本当にうれしく思っています。リッチーのように、本当に楽しくうれしく話せたかどうかはわかりませんが、少しでも、皆さま方の力になれたのであれば非常にうれしく思っております。

明日から会社の文化を変える孤独な戦いに、勇気と元気がもたらされたのであれば、非常にうれしく思います。ご清聴ありがとうございました!

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撮影:滝川 陽一氏

講演後:質問/リッチーからのツイート/講演資料

Q「今の安田さんが、喜びを感じる時はどんな時ですか?」

ー 以前との比較にはなるのですが、以前は何故メンバーは会社の方針と違うことをするのか、、とか私の想いとは別の動きをするのか、、という不満を感じることがありました。他人のせいにしていたのです。
しかし、今では私自身のMindが変わったこと、私の想いを伝える機会が増えたこと、社内のメンバー同士のコミュニケーションが増えたことにより、そのような思いをすることがほぼなくなりました。

逆に「何故、みんな私の意図を汲み取って、動いてくれるのだろう?」と感じることが多くなりました。 そのような時に本当に会社を続けてきてよかったなー。喜びに満ちているなーと感じます。

 

 著者リチャード・シェリダン氏から賞賛のツイート!

 

講演資料

www.slideshare.net

原典

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

 
あなたのチームは、機能してますか?

あなたのチームは、機能してますか?

 

 更新履歴

1/13 7:27 ヴァル研さんの写真が間違っていたため差し替えしました

1/12 21:30 著者リチャード・シェリダン氏のツイートを追加しました

2019/11/15開催の「製造業アジャイル勉強会」でいい話を聞いたので、書き起こしてみた!

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第1回製造業アジャイル勉強会のメインビジュアル

製造業アジャイルを語る人は、デブサミ2008のベストスピーカー賞を受賞された、那須ケント・ベックこと咳さん以外、お目にかかる機会がしばらくなかったのですが、RSGT2018に突如現れた半導体アジャイルな人々を見て、「製造業アジャイル」というジャンルが出来つつあることを注目していました。この波の行方を感じたくてblog枠で滑り込み参加させていただき、したためてみました。何分初めてのことで、至らぬところも多々あると思いますが、読んでくださる皆さんのお役に立てれば幸いです。
beyond-hardware-agile.connpass.com

 

 

オープニング:及部 敬雄さん(デンソー

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最初に、、、、この会場は、medibaさんにお借りしています。「medibaなう」「medibaさんありがとうございます!」など感謝の気持ちをつぶやいて頂けるとうれしいです。

さて、製造業アジャイル勉強会に来た人はどんな人か、スマホでアンケートに答えて頂きたく。これに答えて頂けると、スピーカーの人は、どんな人が来ているかイメージが付きやすいので、ご協力ください! 

参加者アンケート結果

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この会を何で開催することになったのか、お話しします。最初に自己紹介すると、及部敬雄と言います。株式会社デンソーのMaaS開発部というところにいます。前職は楽天株式会社にて、今年の7月にチームごとデンソーに移ってきました。ソフトウェアの会社からハードウェア、製造業の会社に移ってきて、勉強しながら働いている状態なのですが、他にも製造業アジャイルをやっている仲間たちと話をしたときに、製造業アジャイルを携わっている人たちの悩みがよくわからないので、やっている人たちを集めてイベントにしたら面白いものになるのではのではと盛り上がり、今回企画してみました。 

製造業でもソフトウェア、アジャイルやらなきゃならないという記事をよく見ます。アジャイルスクラムのルーツは、日本の製造業。そこからヒントを得て、アジャイルが出来、ソフトウェア開発の中で発展してきたのだけど、いままた一巡して、日本の製造業にアジャイルのトレンドが来ていることが面白いと思ってます。その一方で、ソフトとハードの境がなくなっていることも感じています。

「製造業なのにアジャイルやっててすごい」と言われがちだと思いますが、「私たちスゴイ」というところまで持って行きたい!というのが今日のモチベーションです。「製造業なのにアジャイルやっててすごい」という状況をぶっこわすことに、共感してもらえたらうれしいし、共感してもらえなくてもこの場を楽しんでもらえればと思ってます!皆さん「自分たちスゴイ」と思って是非帰って頂きたいです。

 ということで、第1回の講演にここから移っていきます。今回は、7月に開催されたアジャイルジャパンでお話しされた、ホンダの船戸さんの講演を抜粋版で、お話し頂きます。 

講演「製造業と大企業におけるアジャイル開発とそびえ立つ壁たち」船戸 康弘さん(ホンダ) 

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八方塞がりな状態。その中でも一つづつ解決していけばなんとかなる。大切なのは一個目の突破口を探すこと。大企業でもアジャイルの開発は出来るということが今日のメッセージです。聞いて頂いた皆さんが、壁を壊したり、ボトムアップで何かするときに、今回の話が参考になれば幸いです。

1:大企業あるある問題と我々のぶっ壊し事例 

我々の部署は、生産本部完成車技術企画部デジタル領域に位置しています。作っているものは、車ではなく、生産性を向上するための社内向けシステムを作っています。

今のチームは、2018年10月に発足し、社内外18名体制、社内は13名です。こういう風に言うと「ホンダだから出来るんでしょう?」「ホンダさん自由でうらやましい」とよく言われるのですが、現実はそうでもなくてですね(苦笑。

社内の人から言われた「心に沁みる一言」として 

  • 業務でチャットでコミュニティを取っていると「遊んでいるじゃない!!!」
  • 英語でミーティングをしていると「真面目に日本語でやれ!」
  • 最終的に言われたことは「工場の人たちが必死で削って稼いだ1円・1秒を、IT投資が一瞬にして使ってしまう!許せない!」

など、面と向かって言われた言葉です。皆さんの職場は、こんなこと言われたことありますか???? 

自動車の製造にはたくさんの人が関わっています。開発フロー標準化の縛りや、法律も当然準拠しなければならない、それをまとめるためのリーダーがそれぞれにおり、会議が多い、開発は99%ウォーターホール。こういう状況だと、ゴミばっかり作ってしまうことになりがちで、技術的にもフロー的にも文化的にもかなり良くない状況でした。

 我が直面した壁は6つです。

1-1:ソフトウェア開発メンバー不足

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内製したいと思われている方も多いと思います。その一方で、開発できる人がいないので、最初から内製出来ないと思っている方も多いのではないでしょうか?我々も同じ問題ぶち当たり、委託開発にも挑戦しましたが、残念ながらうまくいきませんでした。

いまは、派遣社員と社内公募でなんとか人を確保している状況です。大企業だからか、探せば思わぬところに逸材がいたりするんですよね。趣味でやっている人の中に逸材がいました。

 委託はどうかという話なのですが、今もデザインのところだけ委託でやっています。当初、いろいろな問題が起きていました。レビュープランニングした後に、デザインだけ外注していました。デザインを依頼して1週間で納品されてくるのだけれど、開発チームのスプリントレビューのタイミングと合わない状況になりました。つまり、デザインを反映していないままスプリントレビューし、次のスプリントで一工程前のデザインを反映することになったわけです。

この問題を解決するために、委託会社と一緒にやったことは、スクラムイベントに参加してもらったり、チームメンバーとこま目にやりとりしたりと、やり方をいろいろ変えました。今はより、デザインをブラッシュアップしていこうと言うことで、コンポーネント化などをトライしている状況です。

このように試行錯誤を同じチームとして一緒に動ける委託会社さんや協力会社さんとやれるのであれば、アジャイル開発は可能かなと思えるようになりました。  

1-2:企画書承認の・・・・パワーポイントを作り続けることに 

我々チームが初期段階の頃、バリューストリーミングマッピングをしたときに、開発1ヶ月なのに企画書に3ヶ月みたいな現象が、起きたことがわかりました。どんなシステムを作るかの企画書だったり、予算取りだったり、フロー評価会議を通したり、日程管理だったり、、、3ヶ月間ずっとパワーポイントを作っている人もいました。

よくよく考えると、元々は自動車開発に合わせたフォロー。我々が作っているものは、自動車開発には関係ない部分のソフトウェア開発だから、前提条件にはまっているだけではないかと考え、それぞれ対策していきました。

  •  企画書→インセプションデッキにして、1日になった
  • 予算取り:内製化にすることで、一括で企画してまって、こま目にアプリケーションをリリースし、予算取りの報告回数を減らした
  • 評価会:社内フロー回避すればイケた
  • 日程管理:カンバンなどいろんなところで見える化回避
  • 情報共有化会:結構やっかいで後ほど話します
1-3.社内フローをどう回避するか??? 

開発フェーズでできあがった成果物を評価して、次の開発フェースに行くために、大量の資料作成が発生します。社内フローはなぜ必要なのか?を考えてみると、これも企画承認のときと同じように、元々は、自動車開発のチェックフローから始まっている訳なんですけれども、自動車会社であっても、自分たちの作っているのは、自動車ではないので、社内の今あるルールを守らなければならないという前提条件にはまっているだけなのではないかと気が付きました。

というわけで、どこまで社内フローに乗っ取らないでやっていけるのか、やってみました。そうすると、 

社内フロー回避できるかチャレンジ

  1. エクセルマクロ・バッチ
  2. 卓上でWebサービスを立ち上げる→ここから始める
  3. サーバールームを使う→ココは大丈夫だった
  4. クラウド化→ここから社内フローを通さなければならないことに 
1-4.マネージャーの理解

このプロジェクトを始めるとき、マネージャーの理解が得られませんでした。解決策としては、気にせず始めた(会場笑

そして、結果が出始めると後押ししてくれるようになりました。 

1-5.他部門との関係性


組織が大きくなってくると、部門の実績の主張、予算取り、評価者の声がけっこう気になってきます。システム部門もそうで、部門の評価を気にしすぎてしまい、いつしかユーサーって小さくなってしまっていることになりがちです。これらは、すべて、マーケット課題だと思っていて、チャンスだと思いました。大企業でもしプロダクトオーナーやスクラムマスターをするのであれば、製品だけではなく、そういう企業の「ヤバイ」部分にも爪痕を残しておくといいことがあると考えました。つまりは、「関わる人全員に価値を届ける」という持って取り組むといいと思いました。

「現場」は、早く帰れるようになってうれしいし、「現場のマネージャー」は、自分の工場が社内で注目されたり、労働環境が良くなってうれしいし、「我々のマネージャー」は、現場に貸しを作れてうれしいし。そんな感じでみんながハッピーになる価値価値を提供することが重要だなと思いました。これをやることによって、スクラムチームがより効率よく働いて生産性が上がることをイメージし、「誰に」「どんな価値を提供するか」を一つづつ提供することが大切だと思い至りました。

1-6.1日1クレーム問題→気にせずすすめる

大企業の規律とか風土とみたいなものを、ネタとしてみんなでWikiにまとめたりしています。例えば

  • はみ出すな。おやつのスペースを勝手に使うな
  • おやつ神社に人が集合すると、目立つからやめろ
  • モニター電源、2分ぐらいですぐ消せと言われる
  • 通路にはみ出してミーティングをしないこと
  • 事務所で作業着を着用すること(笹さんは作業着を着なくていいと確認して、着ていかなかったら怒られた)
  • ディスプレイはいくらしたんだ!購入するなんて、聞いていない
  • 社内で非公認なwifiがあるようだけどコレは何だ!→野良wifiを立てていた人がいた。自分たちのチームに疑いを持ち怒られた(当然、自分たちのチームには犯人はいない)
  • 付箋を使っていると→仕事とは何かについて説教された

みんな偉そうなんです。工場の人もITの人も(苦笑。

2.チームの軌跡:短縮版 

アジャイルを始めたきっかけは何かというと、現場のスタッフの困りごとを解決するアプリを1人で片手間で作成したことからでした。現場の人たちが残業時間に、データをポーティングしていたのを見て、データベースからデータを取って、Webで可視化する簡単なアプリケーションを作って見せたところ、現場のスタッフの人たちが「わーい、わーい」と喜んでくれました。そしたら、現場の人たちが「作って作って」と作業が滞ってしまうぐらいバックオーダーを抱えてしまい。。。。。直属のマネージャーに人数を増やして大きくしていったらどうかと提案したのですが、はじめは反対されました。

そんなとき、現場のマネージャーが「こんなに現場が良くなっているいるから人数を増やしたらどうだ」と、直属のマネージャーに話をしてくれて、メンバーが増えることになりました。 

一人からチームに変わるわけですが、ここからもいろいろ問題が起きました。まずは、エンジニア問題。委託で人を増やしたら、社内のシステムが特殊だったことと、私のやろうとしていたアプリエーションの開発スキルにマッチする人がいなかったため、システムが出来なかった。 委託先の会社の中でスキルが合うエンジニアを確保してもらい、ホンダのある栃木と大阪の2拠点で開発をすることになりました。

そうすると、今度は、委託会社の中で、内紛状態がおこり大変なことに。原因は、委託業者内のコミュニケーション不足。フロントとバックを拠点を分けて開発していたのですが、その責任区分がもめ事を生んでいました。でも、委託業者内のことなので、問題が勃発しても自分は何も出来ず。そこではじめて、内製開発をはじめることを決意しました。

やってみると、ものが出来たけど、ゴミばかりになってしまっていた。現場の言うことをそのまま作ってもいいものは出来なかったですね。現場のユーザー自身も、本当に欲しいものは何だったのかよくわかってなかったと思います。そこから、現場と一緒に「インセプションデッキ」をやったり「ユーザーストーリーマッピング」をやったり「デザインシンキング」をやりながら、少しづつ本当に欲しかったものは何か、考え作っていくようになりました。 

それだけではなく、エンジニアとユーザーが交流を密に持つようになって、プログラミング体験をしたりしながら、お互いの理解を深めるようになりました。こういうことを繰り返すことで、やっと使われるものが出来きてきました。1年ぐらいかかって、やっとチームが動き始めまた感じです。 

3.これまでの成果と今後の課題

たまたま同じようなアプリの仕様のもので、バリューストリーミングマップを、1年前と今でやる機会がありました。比較してみると、リードタイムが70%減!主に企画の時の時間が減っていました。

今後の課題としては、2つあると思っています。

3-1.技術力があまり高くない

チームメンバー自身も認識しているところが救い

  • ラーニングセッション 2wに1回
  • モブ
  • ワークショップを週1程度開催している

かなり教育に時間をかけて、技術力アップに努めています

 3-2.チームが大きくなり、他部門に巻き込まれることも増えた
  • IT部内(開発チームの一元化?)
  • 全体最適的の話(その裏には派閥?)

良くない傾向だと思っています。我々のチームの課題をぶっ壊すため計画中で、来年の暖かくなる頃には結果がわかっているはずです。

 

4.まとめ 

一つづつの解決して、突破口を見つけるとアジャイルを導入することは出来る。大切なのは一つづつの積み重ねだと思っています

そんな、順調に進んでいるところで新たな問題が発生しました!「予算削減」からの「チームシュリンクの危機」の波が来たのですが、現場の人たちがお金を出してくれることになり、チームが存続することになるという事件がありました。

ちょっと前の現場の人たちは「IT投資にお金を使いたくない」と言っていた人たちでした。その人たちが、我々のためにお金を出してくれるようになった。信頼を取り戻して、仲間が増えていきました。

仲間が作ることで、定型的な日本の製造業が変わっていけばなと思っています。みなさん、製造業な方も、製造業じゃない方も、一緒に製造業を盛り上げて、日本を楽しくしていきましょう。 ありがとうございました。

5.個人的に印象に残ったQA :[司会]笹 健太さん (クリエーションライン)

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左:船戸さん、右:笹さん

車の開発にアジャイルは使えますか?

アジャイルの定義が何かにもよりますが、近しいことは出来ると思いますただ、皆さんが想像しているアジャイルとは違うと思いますけれど、仕事の進め方とか、スクラムっぽい感じで問題を捌くことは出来るかと思いますが、金型など、リードタイムがかかるものがあるので、ハードをユーザーの要望に応じて毎週変えていけるかというと、多分そういうことには今はならないと思います  

 

どうしてバリューストリーミングマッピングをやってみようと思ったのでしょうか?

アジャイルコーチとして支援に入ったときに、現場の状況がわかってなくてスクラム導入支援やるのも抵抗があり、どこに問題があるのか現状を理解し納得して次に進むために提案させていただきました。(笹さん) 

 

ホンダさんの元々いた人たちも変わってきたことがありますか?

ありますね。現場の人たちもアジャイルなやり方に慣れてきて、企画書を作らずにいろいろなシステムが出来たり、フィードバックをもらうときにも言ってくれるようになった。ITに対するスタンスが変わってきて、ITを活用しようとする意識になって来ているのを感じる。はじめの頃、インセプションデッキをユーザーさんと一緒に作ろうとすると「なんで、俺らもやらなければならないのか」という人がまあまあいたように感じていたが、この頃は、一緒にやることに抵抗がなくなってきたように感じています(笹さん)

 

 はじめに現場の困りごとのアプリを作ったときの契約形態と予算の付け方などを教えてください

当時、自部門の予算として、他部門のお助けをやっていた。一人で片手間に作ったので、予算は工数のみ。カイゼン工数だけ。今は、オープンソースの組み合わせで大体できるので工数はかからない。何でやろうと思ってかと言うと、これ簡単に自動化できることは自分にはわかっていたので、やったら、喜んでもらえるかなと思ってやった。  

 

システム連携は(販売・購買など)?

システム連携はまだしていない(販売・購買など)システム連携をすると、連携先との調整が必要なので、まだ出来ていない状況。品質の担保は最近、TDDをはじめた。

 

ホンダのわいがやの製作体制は死んでしまったのでしょうか?

死んでいないとは思う。どこかでやっているのではないか?自分の周りで言うと、モブでガヤガヤしていると怒られちゃうところは残念 。

 

社内の浸透度

部長までは巻き込まれている。OSSを使うことはOK。 価値をどんどん提供してお金を増やす。人が確保するために、予算を取るときに、人員計画など年に1回そこはしっかりやっている 

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6.プロフィール

船戸 康弘

本田技研工業株式会社

スクラムマスター

2006年本田技研工業株式会社入社

生産技術開発部門で生産ロボットシステム開発を経験後、データサイエンス領域を担当。画像処理やテキスト分析を中心としたデータ分析業務を経験。現在は、アプリケーション開発チームを立ち上げて奮闘中。 

 

笹 健太

クリエーションライン株式会社

アジャイルコーチ

2018年にクリエーションラインに転職し、DevOpsチームに入る。他社のAgile・DevOps導入支援を通じて、変革のお手伝いを行っている。前職ではScrumを採用した開発を実施していた。認定スクラムマスター(CSM)、認定LeSS実践者、DASA DevOps Fundamentals。

 

謝辞/雑感

  • 一般枠がいっぱいで補欠枠にいたところを、スタッフのさとりゅーさんに声をかけていただき、blog枠で申し込ませていただきました。 さんくす!さとりゅー♥ 
  • 初めてのことで、座った席から取る写真だと、編集してもこんなにひしゃげてしまった(スマソ)
  • 船戸さんのチームをアジャイルコーチとして支援されている、クリエーションラインの笹さんのショートセッションは、筆舌に尽くせないほどスゴイだったので、お知りになりたい方は、是非直接、笹さんにお話を聞いて頂ければと思います。 
  • 書き起こしのため、何度も何度も聞き直しましたが、そのたびに、勇気づけられる言葉にしみじみ。話してくださった船戸さん、企画してくださった、及部さん、笹さんはじめスタッフの皆さんに感謝します。読んでくださる皆さんのお役に立てるといいなという願いを込めて、ポストします!また、誤字脱字や認識違いがあれば、お知らせください!

最後に、、、、次の製造業アジャイル勉強会が開かれるといいなと期待を込めてつぶやいておきます(笑。

おまけショット

講演後のOSTのお題。みるみるうちに集まった!

OST、みんな楽しそうでした。

久しぶりに会った友人たちをパチリ!

ありがとうございました!


自宅の車庫にオープンした「箱庭ライブラリ」8/20で3年目に突入 @hakoniwalibrary

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2017年8月20日に、自宅の書庫に旦那様に作って頂いた書箱を置いて、自称地域イチ小さいライブラリを立ち上げ、お陰様で丸2年がたちました。2年間で、延べ303冊、月平均12.6冊借りて頂いている格好です。60冊弱しか入らない本箱なのですが、人通りが多いのと、本箱内に寄贈本が置いてくださる方がチラチラいらっしゃるおかげで、リフレッシュ感が出て、覗いて借りてくださる方がいるのだと推測しています。借りてくださる方!寄贈してくださる方!本当にありがとうございます!

その一方で、寄贈頂くのはうれしい反面、趣旨と合わない本も多くなり、悩んだ結果、こちらで処分させて頂くことを本箱内に記載させて頂きました。ご理解頂ければと思います

箱庭ライブラリ貸出推移:8月起算

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2018年8月から2019年7月までの貸出記録

  • 月平均貸出:10.3
  • 年間貸出点数:68
  • 貸出中ないしは行方不明:13 

2018年8月から2019年7月までの貸出ベスト5 

貸出ランキング1位『漫画 君たちはどういきるか』3位『90歳何がめでたい』など、人気の本が上位に入る一報で、義理の母が自費出版し今回寄贈してくださった『こうたろうとももかとチョコレート』がどうどうの2位!。見たことがない本を探している方がいらっしゃるのでしょうか?または、『はらめこあおむし』『おやすみのまえに』など絵本は鉄板ですね(^_^)。子どもがいないので、絵本持っておらず、ココは子育てが終わった方々の寄贈や推薦に期待したいところです!

また、寄贈頂いた本が3冊、ベスト5に入っていました。『分身』『おやすみのまえに』ありがたいことです

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 

 

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『こうたろうとももかとチョコレート』

作者:やすいわかこ

出版社:幻冬舎ルネッサンス

英語でもよめるはらぺこあおむし

英語でもよめるはらぺこあおむし

 
九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

 
方丈記 (小学館文庫―マンガ古典文学)

方丈記 (小学館文庫―マンガ古典文学)

 
おでかけのまえに (幼児絵本シリーズ)

おでかけのまえに (幼児絵本シリーズ)

 
最果てアーケード (講談社文庫)

最果てアーケード (講談社文庫)

 
これからは、がんばりすぎない 40歳からの暮らし替え

これからは、がんばりすぎない 40歳からの暮らし替え

 
分身 (集英社文庫)

分身 (集英社文庫)

 

同点が多いので、5冊以上になっていること、ご了承ください(笑

今後の抱負

最近、車庫に小さい倉庫的な置き場も旦那さまに作ってもらいました

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そもそも、月5人が借りてくださったらいいなと思って始めました。私がメンテナンスをしなくても回ることをいいことに、最近、サボりがちだったのですが、今回、棚卸しのために貸出ノートをじっくり見、本の感想を書いてくださっている方のコメントを読みかえしました。しみじみうれしかったです。気に入っていた本が返ってこなかったり、転売されたような痕跡があり、へこんでいたのですが、この際、本は天下の回りものだと思うことにして、3年目を迎えたいと思います。

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地域の方々と緩くつながることと、本の可能性を60冊弱の本棚から定点観測することをモットーに、引き続き続けていきたいと思います。ぜひ、お近くにお越しの際はお立ち寄りください!

大都会岡山で開催されたOSO2019で「全ては未来会議から始まった」という話をしました #oso2019

6/29に大都会岡山で開催された、オープンセミナー岡山2019(OSO2019)で講演させて頂きました。岡山には縁があって(初めての部下リンダや現デブサミオーガナイザーのゆうこりんは岡山出身。高校時代からの大親友が岡山に嫁いだなど) 来るたびに、食べ物が美味しく、海川山が岡山市内でも見えて、とても好きな街なので、ついつい喋るのは遠慮して暮らしたいと思っていながらも、お引き受けしてしまいました(苦笑。

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これが大正解でした。OSO2019は、心の底から楽しかったです。2007年から続いているイベントだそうで。だからでしょうか?スタッフの皆さんの粘度が高く、余裕があって、通常イベントに参加するとイベンターとしては、いろいろ気になったりするんですが、全くそんな気持ちにならず、むしろ終わるのが寂しいぐらいに心の底から楽しかったです。自分の準備の都合で、セッションはちょいちょい摘んでしか聞けなかったのですが、バスの話やヌーラボの橋下さんの話など、すごい良かった〜。タイムテーブル見たときに、多様性がありすぎてワントラックでカンファレンスとしてのまとまりとして、どう仕上がるんだろうと思っていたのですが、IT業界内に分かれて存在するいまのトレンドがうまく切り取られた感を感じました。OSOは、実行委員長の阿部さんのセレクトのセンスの良さと、スポンサーの皆さんの腕の良さに担保されたセッションが聞けるんだなあとうらやましい限りでした。

前日まで何を話したらいいのか決めかねていました。前夜祭に来てくださった、懸田さんと阿部さんとの間で未来会議の話をすることが決まり、2014年のXP祭りの話を少し変えてお話しさせていただきました。手書きプレゼンを書き直している最中、当時のことをまざまざと思い出して、未来会議のファシリテーターの人たち、和智さん、かわぐちさん、高柳さん、吉羽さん、美穂ちゃん、直人さん、やっとむさん、家永さんや、弊社のために会社まで作って倉庫の引っ越しを実現してくださった、ポプラロジスティックスの岳野さん、藍澤さんのことや、翔泳社の仲間のことを思い出し、不覚にも壇上で言葉が出なくなってしまって。一生、あのときに助けてくださったご恩を忘れないと思います。

 OSO2019の方が後日談が生々しいのですが、公開できないため、XP祭りの資料や記事を貼っておきます(ほぼ一緒です)よろしければご覧ください!そして、是非、自分の現場でも必要があれば、未来会議をやってみて欲しいなと思います!

enterprisezine.jp

また、当日使った書画カメラにすごい注目いただいたのでアマゾンのリンクを貼っておきます。軽いし便利です。私だけかもしれませんが、HDMI端子からだと出ないので、RGBで出してます。 

エルモ社 モバイル書画カメラ 「Visual Presenter MO-1」 ホワイト MO-1(WH)

エルモ社 モバイル書画カメラ 「Visual Presenter MO-1」 ホワイト MO-1(WH)

 

 旅するAgile本箱も置いて頂きました。なんと!写真を撮るのを忘れてしまったので、どなたか撮って頂いた方、頂けるとうれしいです

名残は尽きません。楽しすぎてお礼を言いたい方もたくさんいるのですが、ここで筆を置きます。本当にお世話になりました!

 

旅の思い出:大都会岡山の多様性

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泊まった「エクセルホテル岡山」窓から烏城と緑が見える部屋。喫煙室だけど空気清浄機があるからとホテルの方に勧められました。ビンゴ!

 

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城下の地下で開催されていた「岡山大空襲」のレコメンドイベント。老いも若きも参加されてて、さりげない感じの運営っぽくて、参加したかった。

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ホテルのそばで偶然見つけた、オーディオがすごく良いバー「301」。カクテルも美味しかったです🍸

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岡山県立大の芝先生に連れて行って頂いたビールの美味しいお店「バレルハウス」美味しすぎて幸せでした。スタッフの皆さんとのお話も楽しかったです。芝先生は、コンピュータ将棋の2018は世界チャンピオンで、2019は準優勝とのこと(驚愕)

https://www.oka-pu.ac.jp/info/info_detail/index/info/1649.html?type=kendai_news

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懇親会ハイライト!

DevLOVE Xで「52歳のハローワーク」と題するプレゼンをしました

 

自分の未来を考えるのはムズい

市谷さんから「DevLOVE10周年で何か話してもらえませんか?」と言われたのは多分1月か2月。4月になって「それぞれの10年、これからの10年」というお題が降りてきて、悶絶しながらひねくりだしたのが、この「52歳のハローワーク」というテーマでした。



「いままで」と「これから」

10年前を含め「いままで」については、こちらを読んで頂けると!

「無茶ぶられ人生」と「生存戦略としてのコミュニティ」のススメ - はたらく気分を転換させる|女性の深呼吸マガジン「りっすん」

「これから」の時代は、70歳まで働き、100歳まで生きるという前代未聞の時代。楽しく年を重ねるために、どういう風に世の中をとらまえて、作戦を立てたらいいのか、本を読みながらまとめてみました。本当は、弊社内で企画が通ったら「52歳のハローワーク」出版すべく、いろいろ取材をしてみようと妄想を抱いていたのですが、時間が足りず(汗。エセ社会科の授業みたいな話になったことをこの場を借りてお詫びします(苦笑。

エセ社会科の授業で伝えたかったこと

伝えたかったのは「世界は、産業革命前のパワーバランスに戻っているのではないか?」という私の問い。

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大航海時代以降、西洋人が覇権を握ってきた時代から、中国やインド、インドネシアなどなどが台頭している中、アメリカは威信をかけて戦いを挑んでくるでしょう。戦争は起こらないが、経済の緊張は長く続くとエコノミストが予想する中で、我々は生きていくことになるということを、皆さんにレコメンドしたかったのです。

もっともインスパイアされた書籍は『日中の失敗の本質』。元中国大使だった方が書かれた本でした。最近、アメリカと中国って風神雷神かもと思っているのですが、風神雷神の戦略がとてもロジカルに書かれていて、是非大人の教養としてご一読されることをおすすめします

漆原さんsaid「70歳ー自分の年齢=いまお互いが学びがある年齢の人」

スピーカー控室で講演前に漆原さんに私のプレゼンを見て頂いたときに、話して頂いた言葉が、「70歳ー自分の年齢=いまお互いが学びがある年齢の人」。元ネタは、漆原さんではないようなのですが、70歳に再定義されたのは、漆原さんとのことでした。わくわくする言葉だとおもいませんか?楽しく年を取る作戦にこの言葉をいれておきたいと思いました。

そもそもは、私が小学生に教える仕事に就いたらどうか?ということをおっしゃってくださって。それ以上を教える人はたくさんいるからと。個人的に、いまの会社を卒業したら保育士になろうかなとも思ったので、うれしかったです。

スピーカー特権で最大の無茶ぶりをやってみた

実は、時間がめっちゃ余ってしまって(汗。質疑応答の時間を長く司会の方が持ってくださり、面白い意見交換時間にしてくださいましたが、それでも余ってしまって(笑

私は、心理的安全性がある場で、アジャイルクラスタの人たちに出会うと、その方が国際情勢をどう見ているかという質問をいつもしてしまう癖があります。なかなか、そういうことを聞いていい場と聞きたい人がいる場というのはなかなかないもので、、、、そう会場に聞いてみたい方がいらっしゃいまして、t_wadaさんにその質問を投げてみました。

さすが!t_wadaは、「アンラーニング」「名前を明かさず若い人と一緒に勉強したりペアプロする」「ロールモデルの見つけ方」などなど、ご自身の当たり前を破壊して新しい価値をインストールするためにやっていること考えていることを話してくださいました。究極の無茶ぶりにも、真摯にかつ素敵な回答を話してくれた、和田さんに感謝です♥

頂いたフィードバック

今回初めての試みとして、DevLOVEのスタッフの方にお願いして、事前に付箋を受講してくださった方にお配りし、感想を書いて頂くことをやってみました。SNSよりもやる障壁が低いかなと思ってやってみたのですが、ありがたいことに、たくさんコメントを頂き胸熱でした。スタッフのみなさま、書いてくださった皆様、ありがとうございました!ちなみに、この方法は、こしばさんがやられていたのを以前見たことがあり、まねっこしてみました(感謝!

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 つぶやきのまとめ

ちゃちゃき!ありがとー!

togetter.com

参考図書

最後に参考にした書籍を貼っておきます。キャリア本は自分のステージに合う本を見つけるのが大変だなあという印象です。『「いつでも転職できる」を武器にする』は、転職するしないにかかわらずご自分の棚卸しのために読んでみることをおすすめします! 成毛さんや木村さんのシニア転職論は、エスタブリッシュな会社員向けに感じました。

55歳からのリアル仕事ガイド

55歳からのリアル仕事ガイド

 
働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書

働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書

 
「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか

「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか

 
しょぼい起業で生きていく

しょぼい起業で生きていく

 
となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

 

 

最後に、、自分の未来を考えるのはムズいが大事な時間

未来を考えるのはムズいわけですが、でも、DevLOVE Xでこのお題を頂かなければ、考えなかったと思うので、きっかけを頂いたことを感謝します。このムズさそのものが、大人の壁といいましょうか、シニア世代を迎えるための時間なのだと思いました。スタッフの皆さん、聞いてくださった皆さん、アドバイスをくださった皆さん、ありがとうございました。

今回のプレゼンは終わりましたが、人生は続きます。いいライフハックがありましたら、教えてください!楽しく年を取る作戦、引き続き考えていきたいと思います。

あわせてよみたい

 

デブサミ2019で投票頂いた「こどもプログラミング本大賞」の結果が発表されたことを感謝を持って報告します!


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2019年2月に開催されたDevelopers Summit2019で行いました「子どもプログラミング本大賞」5/16に、主催者である日販さんから結果発表され、全国書店でのフェアも開始されました!

https://hon-hikidashi.jp/know_learn/83242/

 

そもそもは、日販さんからこどもプログラミング本を全国の書店さんで展開したいので相談に乗ってもらえないかということで始まったこの企画。書店さんからのどんな本を薦めていいかわからない」という声を受けて、技術的におすすめできる本をエンジニアに選んで頂き、子どもには友達に勧めたいという観点で、デブサミと都内の小学校内で投票を行って頂いたわけなのですが、結果的に、デブサミ投票所は、 286人参加頂きました。急な告知だったにもかかわらず、本当にありがとうございます!

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残念ながら、弊社の本が大賞には選ばれませんでした。悔しくないと言えば嘘になりますが、投票日当日、基本に投票会場にいて、来場してくださった方が、すごい真剣な瞳で本を見つめている様をずっと見ていたので、それだけで感無量です。これが民意だと結果を真摯に受け入れます。

さて、エンジニア286人が、未来を託すために選んだ、子どもプログラミング本。主催者の日販さんのお許しを頂いて、デブサミ会場での結果のみを発表させて頂きます。

 

【Aグループ:読み物・漫画】
1位 なるほどわかったコンピューターとプログラミング(ひさかたチャイルド)
なるほどわかった コンピューターとプログラミング

なるほどわかった コンピューターとプログラミング

  • 作者: ロージー・ディキンズ,阿部和広,ショー・ニールセン,福本友美子
  • 出版社/メーカー: ひさかたチャイルド
  • 発売日: 2017/02/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 2位 ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング(翔泳社

ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング

ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング

 
3位 テラと7人の賢者(学研プラス) 
テラと7人の賢者: 小学1~3年生 (“ナゾとき”コンピュータのおはなし)

テラと7人の賢者: 小学1~3年生 (“ナゾとき”コンピュータのおはなし)

 

 

 【Bグループ:マニュアル本】
1位 手づくり工作をうごかそう!micro:bitプログラミング(翔泳社
手づくり工作をうごかそう!  micro:bitプログラミング (ぼうけんキッズ)

手づくり工作をうごかそう! micro:bitプログラミング (ぼうけんキッズ)

 
2位 できるパソコンで楽しむマインクラフトプログラミング入門(インプレス) 
できる パソコンで楽しむ マインクラフト プログラミング入門 Microsoft MakeCode for Minecraft 対応

できる パソコンで楽しむ マインクラフト プログラミング入門 Microsoft MakeCode for Minecraft 対応

 
3位 プログラミングは、ロボットから始めよう!(小学館
【Cグループ:親・教員向け】
1位 アルゴリズム図鑑(翔泳社
アルゴリズム図鑑 絵で見てわかる26のアルゴリズム

アルゴリズム図鑑 絵で見てわかる26のアルゴリズム

 

 2位 コンピュ-タ-&テクノロジ-解体新書(SBクリエイティブ) 

コンピューター&テクノロジー解体新書

コンピューター&テクノロジー解体新書

 

 3位 プログラムの絵本(翔泳社

プログラムの絵本 プログラミングの基本がわかる9つの扉

プログラムの絵本 プログラミングの基本がわかる9つの扉

 

 こうやってみると、弊社の本をたくさん選んで頂きありがとうございます(投票してくださった方の名誉のためにも、天地に誓って利益誘導は行っておりませんので、ご承知おきください)

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5/18から全国書店400店で、「こどもプログラミング本大賞」フェアが実施されているそうです。ぜひ、お立ち寄り頂けると幸いです♥

「こどもプログラミング本大賞」書店フェア 実施店舗リスト(2019.5.16~)

https://hon-hikidashi.jp/bookstore/83244/

 

 

 

 

繰り返しになりますが、投票してくださったみなさんの真剣なまなざしにとても元気勇気を頂きました。今回デブサミチームが暖かく場を作ってくれ、時間がない中実現に向けた手配を一気に引き受けてくれた弊社企画課の皆さんに感謝したいです。もちろん、日販さん、小学校投票所を引き受けてくださった、荒川区立日暮里第2小学校の先生・児童・司書・保護者の皆さんのおかげで、現時点でのこどもプログラミング書籍のスタンダードを民意で選ぶことが出来たことに、感無量です

来年この企画があるかどうかはわかりませんが、もしあった場合は、またご協力いただけますようお願いします!

本当にありがとうございました!

 

渋谷ヒカリエで開催された「平成の百姓一揆」に参加しました

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「平成の百姓一揆千秋楽」当日販売されたおやつ

もうすぐ8回目の3.11を迎える今、高橋さんが何を考えているか聞きたくて

3/23、渋谷ヒカリエで開催された「平成の百姓一揆高橋博之47キャラバン〜の千秋楽」イベントに参加してきました。書いてみて思ったのですが、「渋谷ヒカリエ」と「百姓一揆」って、すごいパンチのきいた並びですね(笑。

我ら岩手に生を受けた人たちの、いや、食べる通信ポケットマルシェで全国的に頼れる兄貴になった 高橋博之さんが、今何を考えていらっしゃり、何をなさんとされているか、直接言葉を聞きたくて、人間ドック終業後、大遅刻で参加いたしました。
高橋さんは、若くして岩手県議になり、3.11後に高い高い湾口防波堤が建つことを止めるべく県知事に立候補し、落選。その後、「食で世直し」「地方と都会をかき混ぜる」「生産者と購入者の立場を対等に」などなど、ユーモアを交えつつ、本当に今大切なことを、ずばっと言い続けて実行しつづけている方です。震災でもなければ、もしかして、ずっと、議員さんやってらっしゃって、起業してアプリ作るなんてこともなかったかもしれない。つまりは、3.11で思っていた人生と別の道を歩くことになった人の一人です
 

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 ポケットマルシェに参加することは越境なんだと思った

さて、平成の百姓一揆カンファレンス(そう主催者は言ってませんでしたがあえてこう書きます)で「ポケットマルシェ」の生産者と購入者のコーナーがありました。青森から出てきて東京で不動産の営業マンをやっていた時、不動産よりも青森のものを周りの人から買いたいといわれることが多く、喜ばれたので、戻って漁師になることにされた方と、その熱烈なユーザーさんが登壇されました。印象に残ったエピソードとして
  • 直取引でお客様からの感想をもらえることがとてもうれしくて励みになる一方で、養殖のロープを切られたりと地元の方の抵抗はいまだ根深いとのこと。
  • 顧客代表の方が、東京生まれの東京育ちの息子さん(たしか小3)が、「漁師になる」と言っている。天気に一番詳しいのが息子さん
とおっしゃっていて、いい意味でも残念な意味でも、こんなことがポケマルのユーザーさんたちに起きていることに、びっくりしました。つまり、ポケットマルシェに参加することは生産者にとっても顧客にとっても越境なんだと。越境者は摩擦を呼び、飛び地的に熱を持った人を生むわけで、きっと、この話に近いことは、それ以外にもポケマルの周りに起きているのだろうと推測。ぱんちゃんではないですが、みんなが越境者になって、はやく、そんな村八分的なふるまいから解放されることを願う(やった人もやられた人も辛すぎる)
 

吠えながら行動するインテリここにあり!

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高橋さんの独演会、1時間半のうち最後の30分程度しか聞けなかったのですが、その中で、印象的に思った言葉を書きます。
・今まで、東京と田舎(故郷)にどちらかを選ばなければならなくて心苦しいかったけど、どちらもかかわる人生を生きようではないか!
・(ポケットマルシェの話の中で)わがままな俺(高橋さん)とわがままな生産者わがままな顧客の対応をしているわが社員w←わがままじゃなければ、ポケットマルシェに乗ってこないですよね。生産者も顧客も)
・「生産地に来てください。というと、遠いとか時間がないと人は言うけど、生産者も俺も、地方から来ているんだから、来てよ。」←おっしゃる通り
 
2012年に渋谷で岩手未来ミートアップというイベントを企画したときに高橋さんが突然、スピーチしてくださったのをお聞きして以来だったのですが、お話や表現力はますます豊かになられているのに、感動。さすが、カンブリア宮殿に出る男!何より感動したのは、震災直後と変わらない、世の中に対する焦り、課題や人と向き合うさま、理想論を振りかざすだけでなく、視線を落として地べたにはいつくばって、人と出会い、メッセージを発している姿でした。
また、復興支援で釜石市に派遣されていた山口幹生さんがCOOの立場で、2018年夏からポケットマルシェに加われたことも、このイベントで知り、とても頼もしくうれしく思いました。高橋さん(ビジョナリー)と山口さん(オペレーション)+ポケマルのみなさんで、きっと、ほいほい越境してくれる人を生むに違いない。
 

考えるよりもまず行動。リアルタイムクリック!

もっと深い話もありました。地方に人がいない。地方にある環境破壊の話。それに対して、私が何かできることはないのですが、そこで途方にくれずに、今すぐ、私にできることは、まずは、ポケットマルシェで買ってみようと思います。食べる通信で高橋さんの周りには、おいしいものを作っている生産者さんが集まることはよく知ってます。そして、植木鉢コンポスト、さぼっていたけど復活しようと思いました。地球のために、私のために、そして、作ってくださった方に感謝の意味で。そしてそして、この試みを応援し続けようと思いました。

最後に、高橋さんの書かれた本 を貼っておきます!

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書)

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書)

 
人口減少社会の未来学

人口減少社会の未来学

 
だから、ぼくは農家をスターにする 「食べる通信」の挑戦

だから、ぼくは農家をスターにする 「食べる通信」の挑戦